ファーマフーズ
株価 3265 東証1部 2021年7月21日
今回はファーマフーズのバイオメディカル事業についてをまとめました。バイオベンチャー企業に区分されることがあるのはこの事業によるものです。またファーマフーズの売上を大きく引き上げる可能性を持つ事業になっています。
前回のファーマフーズの事業についてのまとめ記事はここからhttps://camcamfinancial00.com/wp-admin/post.php?post=236&action=edit
製薬プロセスはどれだけ時間がかかるのか

まず一般的な製薬についてです。
薬は物質の発見から、研究開発・治験に10年以上かかります。そして開発を始めて新薬として認められる確率は1万分の1にも満たないのです。かなり低い確率です。
研究開発は失敗しても莫大な費用がかかるため、承認された際には薬の価格が高額になり株価にも大きく反映されます。
では製薬のプロセスです。
大きく分けて4つあります
①基礎研究 基礎研究は薬の候補を探し、創製するプロセスです。(期間 2〜3年) ②非臨床試験 非臨床試験は薬の候補の有効性と安全性を調べます。(期間 3〜5年) ③臨床試験 臨床試験は人を対象とした有効性と安全性のテストです。3段階の試験があります。(期間 3〜7年) ④承認申請から販売まで 臨床試験で有効性や安全性が証明されたら、厚生労働省に承認申請したのち、さまざまな機関での審査を受けたのち、薬価の設定され手続きが済むと発売することができます。(期間 1〜2年)
簡略化して説明してますが、それでもプロセスが多いことがわかると思います。それだけ慎重に時間をかけて、研究をしていかなければ有効性や副作用などの安全性を判断できないないのです。
ファーマフーズの研究開発について

ALAgene® technologyという独自の技術で研究開発を進めています。この技術は、従来では哺乳動物を用いて行っていた抗体作製で、どうしても難しい抗原がありました。しかし、ニワトリを用いたことでいままで作ることができなかった抗原に対する抗体をつくる技術です。
卵黄から精製した生理活性ペプチド開発技術を用いた創薬研究もしています。
ファーマフーズのこれらの技術を活用した事業を主に展開しています。
現在は、「自己免疫疾患」「悪性腫瘍」をターゲットに研究を進めています。
この研究を製薬プロセスの段階で見てみると、現在どちらも②非臨床試験のプロセスであり、人に対する研究は始まっていません。
しかし、「自己免疫疾患」の分野で2018年より2年間、田辺三菱製薬株式会社と共同研究を行っています。その研究の結果、同社と2021年1月に独占的ライセンス契約を締結しました。
簡単に内容をまとめると、ファーマフーズの技術を用いて田辺三菱製薬株式会社が研究開発を行います。その技術を用いるための手数料、市場した際にはその薬を販売した売上から特許料や技術料をもらうことができる契約をしたということです。
田辺三菱製薬株式会社という大企業がリスクをとってでも医薬開発するということは、良好な研究成果が非臨床試験ではでており、有効性と安全性が確保され世の中から必要とされている薬を生み出す可能性があることが伺えます。
悪性腫瘍の研究においてもパートナーとなる企業を国内外から探し交渉をしています。
まとめ
ファーマフーズの製薬事業は成果のでているオンリーワンの技術があり、将来に期待ができる事業です。しかし、現段階では製薬まで行き着けるかは不確定要素が多すぎて、どうなるかはわからない状態です。そのため株価への反映は独占ライセンス契約を結んだことしか織り込んでいないように思います。研究がうまくいかない可能性を見越した投資プランが必要になります。他の通信販売事業や機能性素材事業は売上を伸ばし期待感もあるので、全体的を通してみるとリスクはあるけども魅力的な投資先といえます。
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